副業でWebライターをするのであれば、SEO対策について学んでおきましょう。クライアントの中には、「SEO対策を意識した記事を執筆してください」と依頼してくる方もいます。SEOライティングができることは、Webライターとして活躍するうえで武器となります。
以下では、webライターとして10年以上活動している筆者が、SEO対策における基礎知識をご紹介いたします。「SEO対策を全く知らない」という方は、ぜひともご覧ください。
Contents
副業WebライターがSEOスキルを身につけるメリット

副業でWebライターを始めるのであれば、SEO(検索エンジン最適化)の知識は欠かせません。
実際、クライアントの多くは「SEOを意識して記事を書いてほしい」と依頼してきます。SEOライティングを身につけることで、Webライターとしての価値は大きく高まります。
SEOスキルを身につける主なメリットは次の通りです。
案件獲得率の向上
SEO対策ができるライターは、クライアントニーズにマッチしやすく、案件受注率が高まります。他のライターとの差別化にもつながるでしょう。
文字単価アップ
SEO対策をサービスとして提供している企業やブログ記事の作成依頼を考えている個人など、SEO知識のあるwebライターを求めている人々は大勢います。そういった企業や個人にとって、SEO知識を持ったwebライターは魅力的であり、文字単価を高く設定したうえで依頼してくれる可能性があります。
長期的な信頼関係
SEOで成果を出せば、クライアントとの長期的な信頼や継続契約につながる可能性が高まります。安定収入にも直結するでしょう。
SEO対策とは?検索順位とその決まり方
SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、「Googleなどの検索エンジンで自社サイトや記事をより上位に表示させるための取り組み」です。
たとえば「東京 焼肉店」で検索した場合、多くの人は1ページ目だけをチェックします。10ページ目に表示されるサイトはほとんどクリックされません。
SEO対策を行えば、サイトやコンテンツが上位表示され、その結果より多くの人の目に触れ、集客や売上、知名度向上に繋がります。
検索順位が決まる仕組みは主に以下の流れです。※これはGoogleの検索エンジンの仕組みの話です。
- クロール: GoogleクローラーがWeb上のページを巡回
- インデックス: 巡回して集めたデータをGoogleのデータベースに保存
- ランキング: データベースから検索キーワードに最も合致し、ユーザーの満足度が高いと思われる順に並べて検索結果を表示
評価基準は非公開ですが、Googleは「ユーザーファースト(ユーザーの役に立つこと)」が何より重要と考えています。
※参考情報として「Googleが掲げる10の事実(Googleの公式サイト)」の情報もぜひご覧になってください。Googleの考え方を理解する手助けになります。
SEO対策の柱――内部対策・外部対策を解説

SEO対策は大きく内部対策と外部対策の2つに分かれます。それぞれを解説します。
内部SEO対策
内部対策とは、Webサイトや記事の中身をSEO的な視点で最適化することです。具体的には、次のような施策があります。
1. キーワードの適切な活用
- タイトル・見出し・本文・メタディスクリプションに対策キーワードを自然に盛り込む
- 不自然な詰め込みは逆効果
2. コンテンツの質と網羅性
- 読者の悩みや疑問を過不足なく解説
- 他サイトが書いていない観点(補足、比較、手順等)はしっかりカバー
- 画像・図解・表・リスト化などで視覚的にもわかりやすく
3. サイト・記事構造の最適化
- H2・H3など見出しの体系的な使用(論理的かつ読みやすい構造に)
- パンくずリストの設置
- モバイルでも読みやすいレイアウト
4. 内部リンクの強化
- 関連する記事へのリンクを適切に設置、回遊性を高める
- トピックの網羅性アップやクローラー促進への効果も狙う
5. ページ表示速度・アクセシビリティの最適化
- 重い画像の使用は避ける、画像にはalt属性を記入
- 文字サイズや色使いにも注意
6. タイトルタグ、メタディスクリプション、URL構造の最適化
- titleタグ(適切にキーワードを含めたタイトルにする)・ディスクリプション(サイトの要約となる情報をキーワード込みで作る)・URL設計(SEOに考慮したURLにする)
外部SEO対策
外部対策は他サイトからの評価を高める施策です。
1. 被リンク獲得
- 良質な外部サイト(信頼性・権威性のあるサイト等)からナチュラルにリンクされる
- 被リンクの購入はペナルティリスクがあるので注意する
2. サイテーション
- リンクは得られなくとも、SNSや他メディアでサイト名・ブランド名が自然に取り上げられる
3. SNSシェア・拡散対策
- XやFacebook等SNSで話題になりやすい記事設計
- ソーシャルボタン設置やシェアされやすいキャッチコピーを用意
4. 外部コンテンツ(寄稿・プレスリリース等)の公開
- 業界団体や有名メディアに寄稿し、自サイトへ自然な形で言及してもらう
5. NAP情報の統一
- ビジネス情報(店舗名・住所・電話番号など)を一貫して発信し、ローカルSEOにも有効
被リンク・サイテーションは「自然・オーガニックな広がり」が重要です。無理な獲得や自作自演の被リンク施策はNGです。
E-E-A-Tとは?
Googleが評価指針として掲げる「E-E-A-T」は、Webライターにとっても必須知識です。これらの要素を満たしたコンテンツを作成することが、SEOにおいて重要といえます。
E(Experience:経験)
コンテンツ作成者本人の実体験や現場経験に基づく独自情報・感想・具体的アドバイスなど。
例:実際に副業Webライターとして稼いだ体験から学んだコツや失敗事例を交えることで情報の信ぴょう性UP。
E(Expertise:専門性)
執筆者がそのトピックについてどこまで深い知識・専門能力を持っているか。資格・実務経験が示せるとより評価大。
例:Webライター歴◯年、SEO案件多数、具体的なクライアント対策事例等を冒頭やプロフィールに記載。
A(Authoritativeness:権威性)
コンテンツやサイト自体が業界で認められているかどうかを示す項目。
例:大手メディアからの引用・言及、有名ブロガーや専門家とのコラボなど。
T(Trustworthiness:信頼性)
サイト・コンテンツの情報の正確性、安全性、透明性などを示す項目。
例:運営者情報や執筆者情報を明確化し、参考文献リンクや外部サイトへの参照も記載。SSL、個人情報保護方針の整備も重要。
E-E-A-Tを高めるためにできること
- プロフィールや著者情報をページにしっかり明記
- 記事内で自分の経験や独自見解も明示
- 信頼できる一次情報・公式リソースへのリンク
- SSL化、プライバシーポリシー記載
- 誤情報の訂正や古い記事のリライトも積極的に行う
書き手の信頼感・専門性・実体験が混ざることで、AIライティング全盛時代でも「人ならではの付加価値」を出せます。むしろ、AIが使われるようになり、一般的な情報で記された記事が提供されやすくなった状況下だからこそ、E-E-A-Tはより重要度が増したと私は考えています。ぜひ、SEO記事を書く際は、E-E-A-Tも意識して執筆してみてください。
検索意図の理解と記事設計の徹底
SEOで重要な「検索意図」は、読者がそのキーワードで何を求めているかを正確に読み解くことです。
検索意図を踏まえた記事を設計すると、Googleからも読者からも高評価を得られます。
検索意図の種類
- 情報取得(Knowクエリ)
例:「副業Webライターとは」「SEOのやり方」など、知識や概要を求める時はこの検索意図が該当します。 - 行動指向(Doクエリ)
例:「Webライター 仕事の始め方」「SEO 記事 執筆依頼」など、何かを始めたり参加したい意図があります。 - 取引・比較(Buyクエリ)
例:「Webライター スクール 比較」「SEO 対策 費用」など、サービスの選択・商品の購入・申し込み検討が目的です。 - 案内・移動(Goクエリ)
例:「クラウドワークス ログイン」「Amazon 新規登録」など、特定サイトへアクセスしたい意図があります。また、「東京 〇〇会社本社」など、どこかに行きたいときもこの項目に当てはまります。
検索意図分析の仕方と記事構成のポイント
- 主要キーワードで実際に検索し、上位10記事の内容・構成を分析
- 自分の記事の目的(疑問解決・行動喚起・比較・信頼形成など)を明確に
- 見出しや本文でQ&A・手順・メリット・デメリット・比較表記など検索ニーズに沿う情報を網羅
- ターゲット層(年齢、職業、悩み段階)を言語化し、ペルソナに合った語り口にする
- リード文で検索意図を明確に共感・宣言(例:対策キーワードが「webライター PC おすすめ」だった場合、冒頭で「webライターが仕事に使うのにおすすすめのPCをご紹介します」と記載しておくなど)
- 見出し(H2/H3)ごとに意図に沿った情報(例:H2で「webライターにおすすめのPC」、H3で「〇〇PC」「〇〇PC1」と具合におすすめPCを紹介するなど)を展開
検索意図がズレた記事は、どれだけSEOのテクニックが良くても順位は伸びません。「このキーワードで検索した人はどういったニーズを持っているのだろう」という視点で考えることで、ニーズに合った記事を仕上げられるようになるでしょう。
内部リンク・外部リンク最適化の実践ポイント
内部リンク対策
内部リンクとは、自分のWebサイト内で記事と記事をつなげるリンクのことです。
- 関連性の高い記事同士を適切なアンカーテキストでリンク
- 例:「SEO対策」について解説している記事内に、「SEOライティングの書き方」について書かれた記事へのリンクを貼る。
- トップページ→カテゴリページ→個別記事、と論理的にユーザーが巡回しやすい設計
- 孤立ページをなくす
外部リンク対策
外部リンク対策とは、外部のサイトから被リンク(外部サイトから自分のサイトにリンクを張ってもらっている状態)を得るために行う対策のことです。被リンクはGoogleがサイトのランキングを決めるうえで重視している項目の一つですので、抜かりなく対策する必要があります。
- 外部サイトから被リンクを得られるような良質なコンテンツを作成する
- 例:独自調査の結果をサイトに貼り、外部サイトから引用してもらう。
- SNSで自分のサイトに興味があるユーザーを集め、コンテンツを閲覧してもらうことで被リンク獲得を目指す
- 低品質なリンク(スパムリンクなど)があれば、リンク否認ツールなどを使ってリンク否認をする
キーワード選定・記事構成・リライトの実践ポイント
SEO対策の最初の一歩はキーワード選定、そして検索ニーズを満たす構成です。
- Googleキーワードプランナーや関連語ツールで精査
- 競合記事を分析し、抜けている質問や補足情報を付け加える
- 情報更新が必要な場合はリライトも計画的に行う
リライト時には「簡単な言葉へ置き換える」「ターゲットに最適化する」といった施策も必要です。 また、古い情報や目的に沿わない場合は内容の大幅な更新や新記事執筆も検討しましょう。
Webライターが習得すべきスキル
- リライト・推敲・校正 … 文章のブラッシュアップ
- WordPress基本操作 … 直接入稿が求められることが多い(クライアントがワードプレスへの入稿作業まで依頼するパターンがある)
- コミュニケーション力 … クライアント要望理解とスムーズなやり取り
これらを伸ばすことで、SEO+αの高評価を得られるWebライターを目指せます。
SEOスキルを手に入れる方法
SEO対策に関する知識を得たいのであれば、一般的に以下のような方法が挙げられます。
・SEO対策に関する書籍
書籍で勉強をする際は、その書籍の販売された日を確認しましょう。SEO対策は日々進化を続けています。古い書籍だと、現在の環境に合っていない知識を紹介している場合があるので注意しましょう。なるべく新しい書籍を選べば、最新の情報を仕入れることができます。
・SEOに詳しい人の記事や動画
SEOに詳しい人(webライターやSEO対策会社の社員など)が提供しているコンテンツをチェックしてみましょう。仕事で得た知識を提供してくれているため、非常に勉強になるはずです。また、こちらも書籍と同様になるべく最新情報のものを見るとよいでしょう。
・SEO対策の講座
SEOに関連した講座が提供されています。そういった講座は費用がかかる場合がありますが、ためになる知識を効率よく学べるので参加してみるのもよいでしょう。
私の場合
私は、SEO対策を行っている会社で長年(10年以上)webライターとして働いています。そのため、会社で仕事をしていれば、自然と知識が身に付きます。ご自身で独学で学ぶのもよいですが、会社に所属して学ぶのもありだと思います。
しかし、本業と並行してほかの会社で働くのは大変です。「本業の会社を辞め、SEO対策会社に転職する」「副業アルバイトという形で企業に属する」など、限られた人しかできない難しい働き方かもしれませんが、知識を得る一つの方法ですので、興味がある方は検討してみてはいかがでしょうか。
ちなみに以下では、私が実際にSEO知識を高めるために行った手順をご紹介します。参考までにご覧ください。
ステップ1
SEO対策会社で仕事。研修を受けたり、休み時間にネットで勉強したりしました。わからないことがあれば、SEOに詳しい先輩や上司に質問。個人的に、この動きが重要。知識だけ学んでもなかなかわかりにくいところもあるので、教えてもらえるなら教えてもらうのがグッド!
また、出勤時間や暇な時間に、SEO関連の書籍を読んで学ぶこともありました。スキマ時間ってけっこうあるので、うまく使うのがおすすめ!
ステップ2
学んだ内容を会社の仕事に生かす。もしくは、副業時に役立てる。インプットだけじゃなくて、アウトプットもすると、覚えやすいですね。仕事に使ってると、「あ、さっき学んだ内容」といった感じで、知識が役立ってる感があって良き!
基本的にこれらのステップを繰り返すだけです。学んで→実践。このステップを繰り返すことで、知識が着実に身についていくでしょう。最近では、SEOの概念がさらに発展してAIOといった概念も登場しています。今後もSEO対策は進化を続けていくはずですので、勉強をする姿勢は常に持っておきましょう。
まとめ
SEO対策は、Webライターとして副業の収益を伸ばすための強力な武器です。
内部・外部とも多様な施策があるため、一つずつ丁寧に覚えていくとよいでしょう。
ユーザーファースト、誠実な情報提供を常に意識し、自らの経験を活かしたオリジナリティある記事を書き続けることで、クライアントにニーズに応えられるwebライターに成長できるはずです。





