副業でYouTuberをする際、「再生数ってどうやって伸ばせば良いの?」といった疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。さまざまな対応方法がありますが、中には「台本を作ることが大切」といったご意見もあるようです。

こちらでは、副業でYouTuberをやりたい方、あるいはすでに始めているが再生回数を伸ばすヒントが欲しいといった方を対象に、「台本」について解説いたします。

台本ってそもそも必要なの?

そもそもの話ですが、台本は本当に必要なのでしょうか。

これに対する答えとしては、「人による」です。YouTuberの中には、台本を使わずにアドリブで動画を撮っている方もいるようですが、そうでない方もいます。

台本は用意をする手間はかかりますが、きちんとメリットがあります。メリットの詳細については下記でご説明しましょう。

ともかく、台本があることで喋るセリフや場面が明確になるため、スムーズに撮影・編集が可能であり、それが強みです。「必要だ」と感じた方は、一度試してみるとよいでしょう。

台本を用意するメリット

さて、こちらでは台本を用意して画像撮影・編集に臨むメリットについて解説します。

・編集作業がスムーズになる

アドリブで撮影した場合、何を言いたいのか分からず、支離滅裂な内容を喋ってしまうこともあるでしょう。その場合、編集する作業が大変です。

しかし、台本があれば何を喋ればいいのかが明確になるため、支離滅裂な内容を喋る心配がなくカットの箇所が少なく済みます。

また、字幕を入力する際、アドリブだと音声を聞き取りながら書き起こすことになるので手間がかかってしまうでしょう。しかし、台本通りに喋っている場合、台本のセリフをコピペするだけで済むので効率的です。

副業の場合、本業がある分限られた時間で作業をしなければなりません。編集作業がスムーズに進めば時短に繋がるため、副業YouTuberにとって台本の活用はメリットが大きいでしょう。

・事前にファクトチェックができる

動画を配信する場合、正確な情報を提供しなければなりません。アドリブで動画を配信する場合、誤った情報をつい話してしまい、それが問題になることもあるでしょう。

しかし、台本を用意する場合は、事前にファクトチェックできるので安心です。正確な情報だけを記載した台本を用意することで、正確な情報だけを動画で伝えられます。

・分かりやすい動画に仕上がりやすい

分かりやすいセリフ・構成などを意識して台本を執筆することで、視聴者に伝わりやすい動画を作成できます。特にビジネス系や教育系のように、情報を正確に伝えることが求められる動画ジャンルの場合、台本は大きな助けとなるでしょう。

台本を作成する際は、ターゲットとなる視聴者の年齢や性別、趣味などを考えて、セリフ・構成を考えることで、分かりやすさが増すでしょう。例えば、50~60代がターゲットの動画で、「てぇてぇ」といった言葉を発言したらどうでしょうか。「てぇてぇ」とは、尊いといった意味がある言葉です。このような言葉は、若者相手には通じるかもしれませんが、50~60代相手だとなかなか通じないでしょう。

ターゲットを選定し、それに応じた台本を用意することで、動画の分かりやすさ・説得力が増します。

動画の台本を作成する手順

ここからは、動画を作成する手順について解説します。以下で紹介した内容は、あくまで一例にすぎません。実際に作成する際は、さまざまな方法をぜひ試してみてください。ご自身に合った方法で作成するのがよいでしょう。

・1.まずはコンセプトを考える

「どのような動画を作るのか」をまずは考えましょう。ここがしっかりしていないと、動画が何を伝えたいのか分からないものに仕上がってしまいます。

コンセプトの決め方が分からない時は、「ご自身が興味・関心のあるテーマ」「トレンド」などを頭に思い浮かべてみてください。「最近SNSでこういった内容が話題になっているな」「これだったら俺詳しいし、細かく解説できるぞ」など、さまざまなアイディアが出てきたのであれば、それをコンセプトにしてみてはいかがでしょうか。

・2.ターゲットを決める

動画のコンセプトを決めたら、次はターゲットについて考えてみましょう。性別や年齢、趣味など、ターゲットにする人物を設定します。ターゲットを決めることは大切です。

例えば、コンセプトが「話題となっている料理のレシピを紹介する動画」だったとします。しかし、ターゲットが料理初心者の場合と熟練者の場合とでは、紹介の仕方に違いがあるでしょう。動画のターゲットを明確にすることで、視聴者のニーズに合った内容を提供できます。

・3.構成を決める

動画のアウトラインを作成しましょう。一般的に構成は、導入・本題・結論の3つで構成されています。例えば、「煮物の作り方を初心者向けに解説する動画」が動画のコンセプトである場合、以下のような構成が考えられるでしょう。

導入:動画の目的を伝える(初心者でも作れる煮物の作り方を紹介します、といったセリフを言う)

本題:作り方を解説する(実際に作っている様子を撮影する)

結論:動画のまとめを伝える(動画を締めくくるセリフを言う)

これらのステップは、どれも重要です。特に冒頭は、こだわって作ることをおすすめします。冒頭の数秒で視聴者は、「自分に役立つ動画か、面白いと感じる動画か」といったことを判断するため、ここがあいまいな内容だと離脱されてしまうでしょう。

先ほどの例で言うなら、冒頭で「料理をしたことがない方でも簡単に作れる煮物の作り方をご紹介します」といったセリフを言うことで、動画の意図が視聴者に伝わります。

・4.中身を作り込む

アウトラインが決まったら、今度はセリフを書き込んでいきましょう。それぞれの場面でどういった情報を視聴者に伝えるべきか考えて、セリフを決めていくのがおすすめです。

例えば、包丁で野菜を切るシーンでは、「初心者の方は包丁を扱いなれていないはずです。そのため、早く切ろうとはせずゆっくり落ち着いて切ってください」といったセリフを言うと視聴者に寄り添った内容になります。

・5.校正する

台本ができたら、今度は校正しましょう。セリフが変になっていないか、構成が崩れていないかなど、しっかりとチェックし問題があれば修正してください。また、この段階で伝えるべき情報の正確性もチェックするとよいでしょう。真偽不明の情報があれば、調べておくと安心です。

◇台本の質を高めるコツ

台本の質をより高めたいのであれば、以下のような方法を試してみてください。

・ライバルの動画を参考にする

YouTubeには、かなりの再生数を誇る有名なYouTuberがいるはずです。ご自身が作る動画のライバルに、有名なYouTuberがいる場合は参考にしてみましょう。

「どういった情報が視聴者を集めているのか」「セリフは?」「どこが魅力なのか?」など、そういった要素を研究することで、台本の質を高めるヒントが得られます。ライバルの動画を見る際は、あくまで参考にするだけにしてください。動画の内容をまるまる真似すると、後にトラブルに発展する可能性もあります。

・AIを活用する

自分一人だけでアイディアを練っても、時に視野が狭まってしまいなかなか良い考えが浮かばないこともあります。そのような時に、AIを使うことで状況を打破できる可能性があるでしょう。

AIに質問を投げかけると、さまざまなアイディアを提案されます。それらの中に、台本のクオリティを高めるヒントが隠されているかもしれません。

AIは上手に活用すれば、良き動画を作る相棒になってくれます。しかし、AIを使う際は、「ハルシネーション」に注意が必要です。ハルシネーションとは、AIがありもしない情報を生成する現象を指します。簡単に言えば、AIは「嘘をつくことがある」のです。

AIが提示した情報を完全に信用するのではなく、事実確認をしっかりと行いましょう。

まとめ

台本は、動画のクオリティを高める1つの方法です。人によって合う合わないがあるので、一度試してみるのがよいでしょう。

今回ご紹介した方法以外にも、さまざまな台本の作成方法・活用方法があるはずです。例えば、台本を細かく作るのではなく、アウトラインだけを作成し、あとはアドリブで撮影するといった方法です。

ぜひ、ご自身に合った方法で動画を撮影してみてください。