突然ですが、「テストライティング」といった言葉に聞き覚えはありませんか。Webライターとして活躍したいのであれば、テストライティングについて理解を深めておいて損はありません。副業としてWebライターを始めたい方、あるいは、今のテスト合格率に満足していない方にとって、テストライティングは最初の大きな壁です。
こちらでは、副業としてWebライターを頑張っている方、もしくはこれからWebライターになる予定がある方を対象に、webライター歴10年以上の私がテストライティングについて解説いたします。
Contents
テストライティングとは?クライアントの真の目的を理解しよう

Webライターの採用を考えているクライアントは、数多い応募者の中から自社のコンテンツ作成を任せるに足る人物を見出す必要があります。そこで、用いられるのがテストライティングです。
テストライティングは、Webライターの実力を見極めるために行われます。「こちらの意図を理解する力はあるか」「文章力はあるのか?」など、テストライティングを通して様々なことをクライアントは判断します。
すべてのクライアントが、テストライティングを実施するわけではありませんが、受けるように指示をされた際は合格を目指して取り組む必要があるでしょう。
テストライティングの内容は様々です。例えば、「1,000字の記事を◯日以内に提出してください」といった形で指示が出され、その内容や執筆姿勢をもとに採用・不採用が判断されます。
クライアントは、「指示を理解できるか」「求められる文章が書けるか」「基本的な文章力があるか」といった点を重点的にチェックしています。
クライアント側の立場で考えてみると、この仕組みの必要性がよく分かります。同じ案件に10人、20人と応募があった場合、全員と契約するわけにはいきません。限られた予算の中で、最も適切なライターを選ぶ必要があるのです。
私の場合
私がテストライティングを受けたときは、とある商品の紹介文を執筆する指示を受けました。商品の特徴を読んで、執筆してみたのですが、結果は不合格。今、考えてみるとSEOライティングを意識しすぎて、セールスライティングができていなかった(つまりは商品を魅力的に伝えることができなかった)のが、原因だったと思います。
テストライティングは、クライアントの意図を正確に読み取ることが大切です。他人なのにできるかー、と言いたい方もいらっしゃるでしょう。ほんと、その通りですが、考えてみるだけでも変わると思います。
テストライティングは難しいの?
結論から申し上げると、簡単には判断できません。競争率やライティング技量、得意不得意など、様々な要因によって難易度は異なるでしょう。
しかし、ある程度の予測は可能です。一般的に報酬が高くライバルの多い案件は、テストライティングの難易度が高い傾向にあります。Webライターとしての経験が浅い場合、このような案件に合格する確率は下がってしまうと考えてよいでしょう。(絶対に合格しないとは限りませんが)
テストライティングの報酬は?
テストライティングの報酬は、案件ごとに異なります。
おおむね「報酬なし」または「本番よりかなり低い金額」が設定されていることが多く、たとえば500〜1,000文字で数百円、またはまったくの無償というケースも見られます。
ただし、一部のクライアントでは、本採用時と同水準という対応が見られる場合もあります。
テストが無報酬の場合、落ちるリスクをかけてもいいくらい魅力的なクライアントか確認しましょう。明らかに労力が見合わないと感じる場合は、応募を控えるのも一つの判断基準です。
テストライティングの文字数は?
文字数は、クライアントによって異なります。200文字程度で依頼をしてくる場合もあれば、6,000文字ほどの長文を依頼してくるパターンもあるでしょう。
また、必ずしも本文の作成を依頼するとは限りません。構成だけを依頼してくる場合もあれば、構成と本文の執筆を依頼してくるパターンもあります。
不安な方は、事前に調査をしておきましょう。もしかすると、テストライティングの内容がある程度予想できるかもしれません。
テストライティングで求められること
テストライティングでは、ライティング技能だけでなく以下のように様々なことをチェックされます。
・理解力
ここでいう理解力とは、「テーマを理解して執筆が可能か」「指示に従って執筆できるか」「質問した際的確に回答できるか」など、様々なことを指します。
理解力があまりよろしくないと、クライアントは依頼のしにくさを感じてしまうでしょう。テストライティングを受ける際は、相手の意図をよく考えて行動することが大切です。
・納期
テストライティングには、納期が設定されています。その納期までに記事を仕上げて納品しなければなりません。
納品が遅れてしまえば、今後依頼をする際に「納期通りに仕上げてくれなさそう」とクライアントは思うため、合格が難しくなるでしょう。テストを受けることが決まったら、いつまでに仕上げなければならないのかを確認しておくことが大切です。
・レスポンスの早さ
Webライターの仕事では、クライアントと連絡を取り合う機会がそれなりにあります。そのため、レスポンスの早さは重要です。
相手から連絡があった際は、速やかに返信しましょう。すぐに回答が難しい場合は、「〇日の〇時までには返信いたします」といった具合に返信日を伝えておくことが大切です。
・文章力
書いている内容そのものは合っていても、読みにくい文章では読者が離れてしまいます。そのため、クライアントはテストライティングで文章の読みやすさ(基礎的な文章力)もチェックします。
過度に長い一文、文末表現が同じになりがち、難読漢字を多用していないかなど、これらに注意して執筆するとよいでしょう。
・ライティングスキル
ライティングスキルと文章力は、今回分けて考えてください。ここでお伝えしたいライティングスキルとは、以下の2つです。
1.SEOライティング
サイトやページを上位表示させるためのライティングスキル。SEO対策については、下記のページでご紹介しております。そちらも、ぜひご覧ください。
2.サービス・商品を魅力的に伝える技量
クライアントのサービスや商品を魅力的に伝える記事を書く。それは、Webライターがこなす業務の中でも多いものでしょう。いわゆるセールスライティング力があるのか否かは、クライアントにとって重要な項目の一つです。
テストライティングで、「自社商品・サービスの〇〇を紹介する記事を書いてください」と指示があった場合は、魅力的かつ的確に商品・サービスを紹介しましょう。そのためには、対象の商品・サービスをよく理解することが大切です。提供された資料やクライアントのサイトなどを熟読しましょう。
テストライティングで不採用になる理由
テストライティングを受けて、不採用になる理由として考えられるのは、以下の項目です。
・納期を過ぎてしまった
納期が設定されているにも関わらず、その期日どおりに仕上げていなければ当然不採用になるでしょう。仕方のない理由で納期が過ぎそうな場合は、事前にクライアントに相談することが大切です。
・レギュレーションどおりになっていない
レギュレーションとは、クライアントが記事品質を保つために設けているものです。「ですます調で執筆」「〇〇という言葉を本文中に二回使用する」など、これらの条件が設けられている場合は、それを守って記事を執筆しなければなりません。
ルールを守って執筆できないと、不採用になる可能性が高まります。
・読みにくい文章を書いている
誤字脱字が多すぎる、一文が長いなど、読みにくい文章を書いてしまうと、読者はろくに読まずに離脱するでしょう。
読みやすさは、Webライターが書く記事において重要な要素です。一度執筆を終えた後は、読み直すことをおすすめします。読み直してわかりにくい箇所は、修正しましょう。
・他のコンテンツと似ている
ネットに公開する記事で注意しなければならないのが、「コピペ率」です。コピペ率とは、ネット上で公開されている記事とどれだけ一致率が高いか示すものです。
あまりにも他のコンテンツと一致率が高い場合は、不採用になる可能性が高いでしょう。コピペチェックツールを使って調べることが大切です。
テストライティングの合格率を上げるためにwebライターができる事前準備

クライアント分析の重要性
テストライティングに挑む前に、必ずクライアントのことを調べておきましょう。
チェックすべきポイント
- 運営しているWebサイトの雰囲気やトンマナ
- 既存記事の文体や構成パターン
- ターゲット読者層
- 扱っている商品・サービスの特徴
この事前リサーチを怠ると、クライアントの求める方向性とズレた記事を書いてしまう可能性が高まります。
テストライティングに挑むwebライターが意識したい7つの対策
ここからは、上記のポイントを踏まえたうえで、あなたの合格率を引き上げるための具体的な7つの対策を解説します。
対策1:応募前が勝負!クライアントと案件の「トーン&マナー」徹底分析
記事を書き始める前に、まずクライアントが運営している既存のサイトや記事を入念に分析しましょう。
- トーン&マナーの把握: 記事の文体(ですます調、だである調)、専門的な言葉遣い、親しみやすさなど、クライアントが求める雰囲気を読み取ります。
- 既存記事の分析: 過去の記事がどのようなキーワードで書かれているか、どのような読者をターゲットにしているかを推測し、「求められているライター像」に自分を近づけます。
クライアントが持つイメージと、あなたが提出する記事の雰囲気が合致すれば、それだけで合格率は大きく上がります。
対策2:意図を外さない!クライアントが納得する構成案の作り方
テストライティングで構成案の提出を求められることもあります。この構成案は、単なる目次ではありません。
【クライアントが納得する構成のポイント】
- 読者の検索意図を満たしているか? 読者が知りたいことに過不足なく答えられているか。
- クライアントの事業に貢献するか? 記事を読むことで、商品購入やサービス利用といった最終目的へ誘導できる流れになっているか。
ただ情報を羅列するのではなく、「この記事で読者をゴールへ導きます」という意図を明確に伝えられる構成案を目指しましょう。
対策3:レギュレーションを軽くみてはいけない!完全順守のためのチェックリスト活用術
クライアントから提供されるレギュレーション(執筆ルール)は、記事の品質を保つための重要な指示書です。
「ですます調で執筆」「特定の言葉の使用を避ける」など、条件は必ずすべて守らなければなりません。納品前にレギュレーションの項目をリスト化し、一つずつチェックしていく習慣をつけましょう。
ルールを守れないライターは、「指示を守れない人」と判断され、どれだけ文章が上手くても不採用になる可能性が高まります。
対策4:合格に必要な文章力とライティングスキルを磨く
Webライターとして求められる「スキル」は磨いておきましょう。
- 基礎的な文章力: 誤字脱字がないか、一文が長すぎないか、文末表現が単調になっていないかなど、「読みやすさ」を意識しましょう。
- SEOライティング: サイトを検索上位に表示させるための、キーワードの適切な組み込み方、見出し構成、情報の網羅性を意識した執筆を心がけましょう。
- セールスライティング: クライアントの商品やサービスを「魅力的かつ的確に」紹介し、読者の購買意欲を高めるための表現力を身につけましょう。
対策5:コピペ率を意識しよう
Web記事において、他のコンテンツとの類似性が高い「コピペ」は致命的なミスです。コピペチェックツール(無料・有料問わず)を活用し、納品前に確認する手間を惜しまないでください。
信頼性を失わないための、Webライターの必須スキルだと認識しましょう。ちなみに何パーセントコピー率があるとダメなのかはクライアントごとに異なります。あらかじめ確認しておきましょう。
対策6:納期厳守と「+α」のコミュニケーション術
納期を守るのは当然ですが、さらに一歩踏み込んだコミュニケーションを意識することで、あなたの評価が上がることが期待できます。
納品時には、単に「納品します」で終わらせず、「今回の記事で工夫した点」や「クライアントの事業への理解を示す一言」を簡潔に添えてみましょう。
例:「貴社の既存記事のトーン&マナーに合わせ、今回は親しみやすい文体を意識して執筆いたしました。」
これにより、「意図を理解している」「仕事に真摯に向き合っている」という好印象を与えることができます。
対策7:不採用でも次に繋げる!丁寧なフィードバック依頼のメッセージ例
万が一不採用になってしまっても、落ち込む必要はありません。そのテストを次に繋げるチャンスに変えましょう。
【フィードバック依頼のメッセージ例】
「今回は不採用となりましたが、今後のスキルアップのため、もし可能であれば、どのような点が貴社の求める水準に達しなかったか、簡単にフィードバックをいただけますでしょうか。」
この一言で、あなたの真摯な学習意欲が伝わり、クライアントによっては丁寧な返信をくれることもあります。
テストライティング関連のQ&A
こちらでは、副業webライターとして活躍したい、あるいはすでに活躍されている方を対象に、テストライティングに関する知識をQ&A形式でご紹介したいと思います。
実際にこのような質問が届いたわけではなく、「副業ライターの人だとこんな疑問を抱きそうだな」と思ったことを、独断と偏見で質問とし、それに回答するコーナー(?)です。参考程度にお考えください。
Q.テストライティングで不採用になった場合、今後応募できなくなりますか?
A.多くの場合、不合格=即ブラックリストというわけではありません。「今回の案件とは合わなかった」などの理由であれば、今後そのクライアントの別案件での応募も可能な場合が多いです。ただし、印象が悪い対応(納期遅れや連絡無視など)があると再応募しにくくなる可能性はあります。
Q.報酬が0円のテストライティングは受けるべきでしょうか?
A.時間や労力が大きくかかる場合は注意が必要です。応募前に条件を確認し、納得できない場合は断ることも選択肢の一つです。
Q.同じ内容のテストライティングを複数の会社に納品してもいいですか?
A.基本的には避けたほうが良いです。同じ原稿の使い回しは信用を損なう原因にもなりますし、多くのクライアントがそれを禁じています。一案件ごとに新規で執筆しましょう。
まとめ
テストライティングについて解説しました。
Webライターを募集しているクライアントは、テストライティングで実力を図ります。合否がかかっているテストですので、集中して挑みましょう。
無事に合格できれば、継続依頼も期待できます。副業Webライターとして活躍している方、あるいはこれから活躍予定の方の参考になりましたら幸いです。


